進行性多巣性白質脳症
- 市販後に、フィンゴリモドを投与されたMS患者においてPMLが認められました1
- フィンゴリモド投与中に、ナタリズマブ治療歴に起因しないPMLが発現することは非常に稀であり、リスクは継続して低い状態を保っています
- フィンゴリモド投与患者におけるPML発症の危険因子は、まだ確立されていません

**総曝露には、市販後および臨床試験における曝露の両方が含まれます
^ナタリズマブ投与歴に起因しないフィンゴリモド治療中のPML症例
フィンゴリモド投与下でPMLを発症した45症例の詳細
- PML報告時の平均年齢は55歳
- 女性34例、男性11例
- フィンゴリモドの投与期間は43例が2年超
- リンパ球数の情報が得られた29例において、継続的にグレード4のリンパ球減少症(≤200細胞/L)を示した患者はいなかった

- PMLの発現率は治療期間とともに増加すると考えられます。しかし、95%信頼区間が広いため、投与期間との正確な関連は不明です
- 6年目の推定リスクは約0.144/1,000人
- 7年目以降はデータが限られるため8、9、10年目のデータを併合
投与期間#別の患者1,000人あたりのPML発現率

#各期間において、フィンゴリモドに起因するPML症例の数を対応する曝露量で除すことにより、各期間のPML発現率(ハザード)を推定した

- 症例数が少ないため、推定発現率の精度は高くありません
- 95%信頼区間が広いこと、前提条件が不確かであること、未測定の交絡因子の影響が不明であることから、年齢との正確な関連は不明です
フィンゴリモド開始時年齢別の患者1,000人あたりPML発現率

PMLについて
PMLについて
- 進行性多巣性白質脳症は、ヒトに遍在するパポバウイルスであるJCウイルスの再活性化によって引き起こされますが、典型的には小児期に感染し、腎臓および他の部位(単核細胞、中枢神経系など)に潜伏した状態が続きます
- 免疫調節療法の合併症としてPMLが増発します
- 一般的な症状・徴候には、動作の不器用さ、不全片麻痺、失語症、構音障害、半盲、認知機能障害などがあります
- 原因不明の進行性脳機能障害を有する患者、特に細胞性免疫低下を伴う患者でPMLが疑われます
- CSFのJCウィルスDNA検査が陽性であり、PMLと矛盾しない神経画像所見が得られれば、概ねPMLを診断可能です
- PMLの管理において、基礎疾患の治療と管理が重要です
疑いまたは確定PML症例:Novartisのサポートを受ける
Novartisのサポート
- ノバルティスは、標準的なファーマコビジランスプロセスを通じて有害事象が会社に報告された後、PMLが疑われる症例の評価について医師を支援します。
- ご要望があれば、外部の専門家によるMRI画像の読影サービスへアクセス頂くことができます。また、Novartisは症例評価のため、外部有識者委員会を設置しています。
- PML を示唆する異常な MRI画像所見 について、セカンドオピニオンを希望される場合、Novartisは、スイス・バーゼル大学病院の 専門MRIセンター(Medical Image Analysis Centre [MIAC])を通じて、セカンドオピニオンの取得をサポートします。Novartisは、MRI画像 にアクセスすることはなく、レポートのみを受け取ります。
- さらに、Novartisは、デンマークの Unilabs A/S で JCV DNA(PCR)検査を行うための CSF サンプル輸送をサポートします。こちらについては、主治医とNovartisの双方がレポートを受け取ります。

最終更新日:2021年7月。ページは年2回更新されます。